自分の殻

今まで「自分の殻を破りたい」ということをしきりに思ってきた。

時々口にも出していた。しかし、思っているものの、「殻」が何であるかがわかっていなかったように思う。
週末ふらふらといつものように道を歩きながら考え、ふと行き着いた現段階での「殻」の実態は、特に自分にとっては「恥」なのではないかと思った。「恥」という強く頑丈な殻によって閉じ込められているのではないかと思う。
それこそ恥を承知で書くが、自分はかなり恥に敏感な方だ。恥に対する恐れも人一倍強いのだと思う。むしろ恥に対する恐れが自分を構成している大きな一部で有るのかと思う。いろんなことを始める際に、全体像をつかんでからでないと動き出しにくいという特徴は、ここからくるものだとも思う。そんな自分に危機感も持っている。この殻を破らないと飛躍できそうにないと。
このような性格は過去の自分の経験が元となっている。小学校卒業までは転校ばかりが続いた。幼稚園、小学校は共に3度ずつ変わった。平均して一つの土地に2~3年ほどしかいなかった。つまり、2年で自分の周囲の環境と築いたものがなくなり、ゼロからのスタートとなってしまう。幼いながらも年を重ねるにつれて、それが辛く、難しくなっていく。無意識的に感じていたのは、新しい環境に入っていくにあたってのポイントは、周囲に悪印象を与えないことであり、イコール、恥をかかないことであった。それは必要以上に周囲の反応を気にしてしまう性格へもつながっている。
自分はこれを、自分のマイナス面の一つであると思っている。思い切った1歩が踏み出せないから。1歩目が遅い。そんな自分を認識していた。そんな自分を
強制的に変えたいという思いも、この会社に入ったきっかけの1つとなっている。
自分を知っている友人たちには驚かれた。それまでの自分ではあり得ない行動で、それなりに有名な企業を志望していると普通に思われていたから。この会社に決めたことは、それまでの自分の中でも、周囲から見ても、実は大きな変化・決断の一つだったのである(今思うと当然の決断であったと思っているが)。
それはさておき、そんなマイナス面を認識しているからこそ、どこにでも飛び込んでいけるシンのような性格は、非常にうらやましい。勢いを感じるから。自分とは違い、どんどん前に進んでいくような印象だ。それをうらやましく思いつつ、良い刺激も受けている。
そんな思いを持っている自分ではあるが、今のG社の商材は中々最適なものであるのではないかと思ってきた。飛び込みで電話をかけ、話しを進めていく。もちろん断られることの方が多い。まさに1種の恥をかき続ける。用途が用途だけに入っていくには時間もかかるし、また現在の経済環境のせいもあり、簡単にはいかない。
しかし、今1社から(まだ1社だが)サンプルを送ってくれという所まで行った。うまく行くかはわからない。しかし、日本に入ってきたことのない商材を担ぎ、それを1からワークして納入まで至った時、自分は一つ大きな自信を得ることができるのではないかと思っている。根拠のある自信を。