常陽の社長とセブの鈴木さん

フィリピンにいた時、語学学校最後の2週間ぐらいで60過ぎのおっちゃん(鈴木さん)が入ってきた。典型的なフィリピン好きの日本人って感じで、いろんな意味でフィリピンを愛している。自分の中での第一印象ははっきり言って全くよくなかった。短い時間しか一緒に過ごすことは出来なかったが、何かのきっかけで仲良くなり、数時間語り倒したことがあった。。
彼はある会社で百科事典を売って、販売数量で日本一を何回もとっていたそう。バリバリの営業。それで50才でリタイヤして日本に奥さんを残しつつ自由気ままな時間を過ごしていた。さすが日本一百科事典を売っただけあって、見た目からは想像できないほど話の中身が深く・鋭く、思わずメモを取っていた。その際のメモが以下(メモしたままなので表現がおかしい箇所もある)。今でも気持ちが沈んだときとかに読み返すようにしていて、読むたびにその時間を思いだす。彼とはもう会うことはないだろう。しかし、彼から教えてもらったことは、非常に大きなものであると思っている。

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・自分に自信を持つ=自分に負けない
・自分と違う人、自分より優れている人はたくさんいる。人と比較してもしょうがない。
・一日の半分は仕事に集中。残りの半分は自己研修。
・ゆとりを持つ。頑張り過ぎても疲れるだけ。
・絶対マイナス思考に考えない。プラス思考。
・絶対に嘘は言わない。人生において懺悔するような嘘は絶対言わない。
・自分に自信を持つ=精一杯生きてきたということ
・挫折を怖がってはいけない。自分の力ではどうにもならないこともある。そういうときこそポジティブに考えるべき。
・男はバカが必要。1〜10まで理詰めではダメ。
・人の心を読むのが大事。
・「いいな」と思わせるところを突く。
・人間は面白い=人の心理は面白い。人の心理を読んで、楽しむ。
・どんな状況も楽しむことが大事。楽しまなければ人生ではない。
・ちゃんと自己アピールすることが大事。→自信を持つことが大事。
・セールスとしては、相手のイメージをすることが大事。
・嫌なやつに会ったときに、自信を持ってどう対処するかが大事。
・自分に自信を持つとすべてが面白く見える。→何故自信を持てるのか。→どれだけ自分に対する努力をしたか。自分に負けずに、自分に言い訳せずに努力できるか。→丈夫な体があれば、何でもできる。努力もできる。
・生まれながらの環境は“負け”ではない。人と比較してもしょうがない。自分に負けなければ、人に負けたことにはならない。
・劣等感を持ってはいけない→だからこそ絶対に負けないものを持つ→丈夫な基本であり→その上に、向上心などが重なってくるのである。丈夫な体さえあれば何でもできる。・素直に、自分に自然に、力まずに自信を持つ。
・やられて当たり前。それに挫折しない。それを当てにすることが大事。やられて当然。
・自分に対する闘争心が大事。相手に対して闘争心を感じるのではない。
・自分がどれだけ言われても、人の悪口は絶対言わない。絶対それが自分に帰ってくる。
・世の中に出ての一番の武器は健康と自信である。
・「努力すればいい」という訳ではない。「努力の仕方」が重要なのである。
・“聞く”姿勢が大事。→「聞く」「質問する」ということは相手を喜ばせる、満足させることである。
・相手に嫌われたら終わり。一番大事なのは自分自身を売り込むこと。商品ではない。しかし商品には絶対の自信を持たなければならない。
・売る商品に自信を持つ = 商品に負けないということ
・すべては自信、自分である。
・誰にも負けないということは自分に負けないということ。
・負けないためには丈夫な体が必要。丈夫な体を与えてくれた親に感謝。

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今日再度読み直した。最も引っかかった部分が、

・売る商品に自信を持つ = 商品に負けないということ
・一番大事なのは自分自身を売り込むこと。商品ではない。しかし商品には絶対の自信を持たなければならない。


理由としては先日のKKと二人での常陽への訪問。
Moと思い込んでサンプルを持っていったら、Wでだったというお粗末な話。
Moと紹介されてNITONもあてずにMoと思い込んで持っていく自分もひどいが、
それ以上に全く自分は物を知らないということを思い知った。

しかも切断してみると、水銀まで出てくる始末。
「これこのままメーカー持って行ったら出入り禁止になってるよ」と言いつつも、
切断して中身を見せてくれさらにWとMoの見分け方等も、いつもの口調だが丁寧に教えてくれた。

言われたのが
「お前が実際に現場に行って、写真を撮って、サンプルまで持って来て、これいくらなので買ってくださいと熱意を持って言えば、買ってやるよ。でも今回みたいにとりあえずモノを持って来るというような形ではとてもじゃないが買えない」。

まさにその通りだ。自分は何か勘違いをしていたのかもしれない。
これこそ上記の「売る商品に自信を持つ = 商品に負けないということ」ではないのか。

今はあまりものを知らないのに、商品名だけが一人歩きしているような、机上の空論のような感じ。おそらくこれではたまたま商売がうまくいったとしても、先には続かない。

「商品に負けない」ためにも、もっともっとモノを見なければならない。もっと目を養いたい。 自分が扱う商品に自信を持ちたい。今の自分ではまだ土俵にすら上がれていないような雰囲気。今一番たくさん目にしているのはスラッジだろう。Ore, Concentrate, 合金系、etc, 仕事ということを抜きにして個人的にも興味を持っているし見てみたいと素直に思う。


常陽の社長、上述の鈴木さんもそうであるが、それぞれ歩んでいる分野は違えど、やはり結果を残してきた年長者の言うことというのは的を射ていると改めて感じる。